韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2021年7月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比32.9%増えました。 実際の出荷数量は+20.8%、ドル建て価格は+15.3%、為替効果は-4.6%で、変化の大部分は数量によるものでした。 すべての品目群で数量が変化をけん引しました。 関税庁の2026年9月速報では、DRAM輸出が168億ドル(前年比+532.1%)、HBM等の複合構造チップが150億ドル(+186.9%)で、メモリ輸出の41%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は115.5(2020年=100)で前年同期比+23.3%、同期間のドル建て価格指数は+7.9%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2021年7月 | 128.4 | +32.9% | +0.1% | 113.7 | +20.8% | -6.9% | 116.6 | +15.3% | +5.3% | 1,144.0 | -4.6% | +2.0% |
| 2021年6月 | 128.3 | +25.7% | +11.1% | 122.0 | +29.6% | +10.3% | 110.7 | +4.7% | +1.0% | 1,121.3 | -7.3% | -0.2% |
| 2021年5月 | 115.5 | +13.5% | +8.3% | 110.7 | +19.5% | +7.4% | 109.6 | +3.9% | +0.5% | 1,123.3 | -8.6% | +0.3% |
| 2021年4月 | 106.6 | +17.8% | -2.6% | 103.0 | +24.6% | -12.5% | 109.1 | +3.5% | +12.5% | 1,119.4 | -8.6% | -1.0% |
| 2021年3月 | 109.4 | -0.7% | +15.2% | 117.7 | +11.2% | +13.1% | 97.0 | -3.7% | +0.1% | 1,131.0 | -7.3% | +1.7% |
| 2021年2月 | 95.0 | +4.1% | -3.0% | 104.1 | +13.9% | -4.5% | 96.8 | -1.8% | +0.2% | 1,111.7 | -6.9% | +1.3% |
| 2021年1月 | 98.0 | +13.2% | -7.4% | 109.0 | +21.0% | -9.3% | 96.7 | -0.7% | +1.9% | 1,097.5 | -5.7% | +0.2% |
| 2020年12月 | 105.8 | +19.6% | +7.7% | 120.2 | +33.1% | +10.3% | 94.9 | -3.5% | -0.5% | 1,095.1 | -6.9% | -1.9% |
| 2020年11月 | 98.3 | +10.5% | -3.0% | 109.0 | +19.4% | -0.1% | 95.3 | -3.2% | -0.5% | 1,116.8 | -4.3% | -2.4% |
| 2020年10月 | 101.3 | +5.3% | -11.4% | 109.1 | +12.1% | -5.2% | 95.7 | -2.8% | -3.7% | 1,144.7 | -3.3% | -2.9% |
| 2020年9月 | 114.3 | +8.9% | +14.6% | 115.1 | +12.7% | +16.3% | 99.4 | -1.8% | -0.8% | 1,178.8 | -1.6% | -0.7% |
| 2020年8月 | 99.7 | -0.2% | +3.2% | 98.9 | +1.8% | +5.1% | 100.2 | -0.1% | -0.9% | 1,186.8 | -1.8% | -1.0% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2021年7月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 132.5 | +39.3% | -1.9% | 113.7 | +20.8% | -6.9% | 116.6 | +15.3% | +5.3% | 数量主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 133.9 | +41.8% | -2.0% | 114.2 | +22.5% | -7.1% | 117.2 | +15.8% | +5.5% | 数量主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 105.3 | -3.6% | -1.0% | 104.3 | -4.8% | -2.1% | 100.9 | +1.3% | +1.2% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 129.0 | +32.0% | -2.1% | 131.0 | +34.8% | -2.5% | 98.5 | -2.1% | +0.4% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 16.78 | +532.1% | +6.6% | 233.5 | +46.0% | +31.4% | 71,836 | +332.9% | -18.9% | 39.0% | +247.7% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 15.01 | +186.9% | +22.8% | 147.9 | +16.9% | +19.6% | 101,545 | +145.5% | +2.7% | 34.9% | |
| フラッシュメモリi | 3.30 | +366.5% | +15.2% | 41.9 | -22.9% | +47.7% | 78,651 | +505.1% | -22.0% | 7.7% | +244.0% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 2.43 | +237.9% | +9.2% | 18.1 | +16.0% | +14.7% | 134,057 | +191.2% | -4.8% | 5.6% | |
| プロセッサ・コントローラi | 4.43 | +38.6% | +7.2% | 738.6 | +11.8% | +4.2% | 6,004 | +23.9% | +2.9% | 10.3% | |
| その他の集積回路i | 1.12 | +4.7% | +11.0% | 340.2 | +3.0% | +8.6% | 3,306 | +1.6% | +2.1% | 2.6% | |
| 集積回路合計 | 43.07 | +217.0% | +12.8% | 1,520.3 | +12.8% | +11.1% | 28,332 | +180.9% | +1.5% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM +21.1%、HBM等 +14.1%、フラッシュ -27.6%、プロセッサ・コントローラ +13.0%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2026年9月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $15.25B | 40.6% | +472.9% | +2.5% |
| 2 | TW | $6.46B | 17.2% | +101.6% | +68.0% |
| 3 | HK | $5.91B | 15.7% | +211.8% | +7.1% |
| 4 | VN | $3.07B | 8.2% | +255.0% | -8.8% |
| 5 | PH | $2.52B | 6.7% | +1,777.2% | +49.0% |
| 6 | MY | $1.79B | 4.8% | +2,138.1% | +6.9% |
| 7 | SG | $0.51B | 1.3% | +1,059.1% | +63.9% |
| 8 | IN | $0.49B | 1.3% | +215.4% | -11.8% |
| 9 | JP | $0.46B | 1.2% | +618.9% | +105.5% |
| 10 | US | $0.36B | 0.9% | +789.3% | +18.7% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。