韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2022年10月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比0.5%増えました。 実際の出荷数量は+15.0%、ドル建て価格は-27.6%、為替効果は+20.6%で、変化の大部分は価格によるものでした。 品目群別では、半導体全体·集積回路は価格主導、個別素子·製造装置は数量主導でした。 関税庁の2026年9月速報では、DRAM輸出が168億ドル(前年比+532.1%)、HBM等の複合構造チップが150億ドル(+186.9%)で、メモリ輸出の41%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は143.3(2020年=100)で前年同期比+17.3%、同期間のドル建て価格指数は-22.9%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2022年10月 | 135.3 | +0.5% | -17.3% | 138.7 | +15.0% | -8.6% | 80.7 | -27.6% | -11.8% | 1,426.7 | +20.6% | +2.5% |
| 2022年9月 | 163.7 | +12.9% | +12.1% | 151.8 | +20.8% | +8.9% | 91.4 | -21.4% | -2.5% | 1,391.6 | +19.0% | +5.5% |
| 2022年8月 | 146.0 | +5.6% | -3.2% | 139.4 | +15.9% | -2.7% | 93.8 | -19.8% | -1.3% | 1,318.4 | +13.6% | +0.8% |
| 2022年7月 | 150.8 | +17.4% | -6.4% | 143.3 | +26.1% | -1.1% | 95.0 | -18.5% | -7.6% | 1,307.4 | +14.3% | +2.4% |
| 2022年6月 | 161.1 | +25.5% | +8.3% | 144.9 | +18.7% | +8.5% | 102.7 | -7.2% | -0.8% | 1,277.3 | +13.9% | +0.6% |
| 2022年5月 | 148.7 | +28.8% | +9.9% | 133.5 | +20.6% | +6.9% | 103.5 | -5.6% | -0.2% | 1,269.9 | +13.1% | +3.0% |
| 2022年4月 | 135.3 | +27.0% | -16.9% | 125.0 | +21.3% | -17.1% | 103.7 | -4.9% | -0.7% | 1,232.3 | +10.1% | +0.9% |
| 2022年3月 | 162.8 | +48.8% | +28.8% | 150.7 | +28.0% | +25.6% | 104.5 | +7.7% | +0.6% | 1,221.0 | +8.0% | +1.9% |
| 2022年2月 | 126.5 | +33.1% | -3.3% | 119.9 | +15.2% | -4.1% | 103.9 | +7.2% | +0.4% | 1,198.3 | +7.8% | +0.4% |
| 2022年1月 | 130.8 | +33.5% | -14.8% | 125.0 | +14.7% | -9.5% | 103.4 | +7.0% | -6.8% | 1,194.0 | +8.8% | +0.9% |
| 2021年12月 | 153.6 | +45.2% | +6.1% | 138.1 | +14.8% | +6.1% | 110.9 | +17.0% | -0.0% | 1,183.7 | +8.1% | +0.1% |
| 2021年11月 | 144.8 | +47.3% | +7.5% | 130.2 | +19.4% | +7.9% | 111.0 | +16.5% | -0.4% | 1,182.9 | +5.9% | +0.0% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2022年10月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 112.0 | -16.7% | -19.3% | 138.7 | +15.0% | -8.6% | 80.7 | -27.6% | -11.8% | 価格主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 112.5 | -17.2% | -20.2% | 143.6 | +18.0% | -8.3% | 78.3 | -29.9% | -13.0% | 価格主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 101.2 | -2.2% | +5.3% | 100.3 | -1.6% | +5.3% | 100.8 | -0.5% | -0.1% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 122.1 | +10.5% | -23.1% | 128.0 | +14.3% | -22.4% | 95.4 | -3.3% | -0.9% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 16.78 | +532.1% | +6.6% | 233.5 | +46.0% | +31.4% | 71,836 | +332.9% | -18.9% | 39.0% | +247.7% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 15.01 | +186.9% | +22.8% | 147.9 | +16.9% | +19.6% | 101,545 | +145.5% | +2.7% | 34.9% | |
| フラッシュメモリi | 3.30 | +366.5% | +15.2% | 41.9 | -22.9% | +47.7% | 78,651 | +505.1% | -22.0% | 7.7% | +244.0% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 2.43 | +237.9% | +9.2% | 18.1 | +16.0% | +14.7% | 134,057 | +191.2% | -4.8% | 5.6% | |
| プロセッサ・コントローラi | 4.43 | +38.6% | +7.2% | 738.6 | +11.8% | +4.2% | 6,004 | +23.9% | +2.9% | 10.3% | |
| その他の集積回路i | 1.12 | +4.7% | +11.0% | 340.2 | +3.0% | +8.6% | 3,306 | +1.6% | +2.1% | 2.6% | |
| 集積回路合計 | 43.07 | +217.0% | +12.8% | 1,520.3 | +12.8% | +11.1% | 28,332 | +180.9% | +1.5% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM +21.1%、HBM等 +14.1%、フラッシュ -27.6%、プロセッサ・コントローラ +13.0%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2026年9月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $15.25B | 40.6% | +472.9% | +2.5% |
| 2 | TW | $6.46B | 17.2% | +101.6% | +68.0% |
| 3 | HK | $5.91B | 15.7% | +211.8% | +7.1% |
| 4 | VN | $3.07B | 8.2% | +255.0% | -8.8% |
| 5 | PH | $2.52B | 6.7% | +1,777.2% | +49.0% |
| 6 | MY | $1.79B | 4.8% | +2,138.1% | +6.9% |
| 7 | SG | $0.51B | 1.3% | +1,059.1% | +63.9% |
| 8 | IN | $0.49B | 1.3% | +215.4% | -11.8% |
| 9 | JP | $0.46B | 1.2% | +618.9% | +105.5% |
| 10 | US | $0.36B | 0.9% | +789.3% | +18.7% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。