韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2024年9月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比36.3%増えました。 実際の出荷数量は-8.2%、ドル建て価格は+47.8%、為替効果は+0.4%で、変化の大部分は価格によるものでした。 品目群別では、半導体全体·集積回路は価格主導、個別素子·製造装置は数量主導でした。 関税庁の2024年9月速報では、DRAM輸出が19億ドル(前年比+59.8%)、HBM等の複合構造チップが38億ドル(+83.3%)で、メモリ輸出の32%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は161.6(2020年=100)で前年同期比-6.6%、同期間のドル建て価格指数は+49.4%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2024年9月 | 183.7 | +36.3% | +13.9% | 182.0 | -8.2% | +17.0% | 89.2 | +47.8% | -1.2% | 1,334.8 | +0.4% | -1.4% |
| 2024年8月 | 161.3 | +40.2% | +3.2% | 155.6 | -9.0% | +5.8% | 90.3 | +50.0% | -0.4% | 1,354.2 | +2.7% | -2.1% |
| 2024年7月 | 156.3 | +59.0% | -17.0% | 147.0 | -1.6% | -20.0% | 90.7 | +50.2% | +3.5% | 1,383.4 | +7.5% | +0.2% |
| 2024年6月 | 188.3 | +60.0% | +19.6% | 183.8 | +4.1% | +19.2% | 87.6 | +44.5% | -0.8% | 1,380.1 | +6.4% | +1.1% |
| 2024年5月 | 157.5 | +57.5% | +15.1% | 154.1 | +6.5% | +14.7% | 88.3 | +43.9% | +0.5% | 1,365.4 | +2.8% | -0.2% |
| 2024年4月 | 136.9 | +60.3% | -13.4% | 134.3 | +8.6% | -22.5% | 87.9 | +42.4% | +8.8% | 1,367.8 | +3.6% | +2.8% |
| 2024年3月 | 158.0 | +38.0% | +17.6% | 173.3 | +15.6% | +12.9% | 80.8 | +17.1% | +4.2% | 1,330.7 | +1.9% | -0.1% |
| 2024年2月 | 134.3 | +73.1% | +6.1% | 153.5 | +49.6% | +3.6% | 77.5 | +10.5% | +1.7% | 1,331.7 | +4.8% | +0.6% |
| 2024年1月 | 126.6 | +65.0% | -13.5% | 148.2 | +46.9% | -21.9% | 76.2 | +5.9% | +9.1% | 1,323.6 | +6.1% | +1.5% |
| 2023年12月 | 146.4 | +21.2% | +15.3% | 189.7 | +35.0% | +12.3% | 69.9 | -10.8% | +3.2% | 1,304.0 | +0.6% | -0.5% |
| 2023年11月 | 127.0 | +7.7% | +3.5% | 168.9 | +31.7% | +2.7% | 67.7 | -14.9% | +3.9% | 1,310.4 | -3.9% | -3.0% |
| 2023年10月 | 122.7 | -9.4% | -9.0% | 164.5 | +18.6% | -17.0% | 65.1 | -19.3% | +7.9% | 1,350.7 | -5.3% | +1.6% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2024年9月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 162.4 | +35.7% | +15.6% | 182.0 | -8.2% | +17.0% | 89.2 | +47.8% | -1.2% | 価格主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 167.0 | +36.7% | +16.1% | 191.5 | -11.4% | +17.6% | 87.2 | +54.3% | -1.3% | 価格主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 73.8 | +3.2% | -2.9% | 75.5 | +9.8% | -2.7% | 97.8 | -6.1% | -0.2% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 149.5 | +38.8% | +9.8% | 162.8 | +42.3% | +10.3% | 91.9 | -2.5% | -0.4% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 1.89 | +59.8% | +2.6% | 121.4 | -8.4% | +23.9% | 15,556 | +74.5% | -17.2% | 16.7% | +54.8% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 3.80 | +83.3% | +13.6% | 108.2 | -17.0% | +4.6% | 35,134 | +121.0% | +8.6% | 33.7% | |
| フラッシュメモリi | 0.63 | -11.8% | +61.6% | 40.6 | -50.6% | +34.1% | 15,422 | +78.5% | +20.5% | 5.6% | +117.4% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 0.58 | +106.9% | +36.0% | 10.8 | -12.7% | +2.6% | 53,719 | +136.9% | +32.5% | 5.1% | |
| プロセッサ・コントローラi | 3.06 | +4.6% | -3.2% | 591.2 | +4.2% | +1.3% | 5,180 | +0.4% | -4.5% | 27.1% | |
| その他の集積回路i | 1.33 | +7.7% | +42.9% | 312.6 | -11.3% | -1.6% | 4,265 | +21.4% | +45.2% | 11.8% | |
| 集積回路合計 | 11.29 | +34.2% | +11.8% | 1,184.8 | -7.2% | +3.6% | 9,532 | +44.7% | +7.9% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2024年9月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $2.23B | 32.2% | +18.4% | +11.7% |
| 2 | TW | $1.79B | 25.8% | +364.9% | +11.7% |
| 3 | HK | $1.66B | 24.0% | +27.6% | +32.1% |
| 4 | VN | $0.70B | 10.1% | +90.5% | +16.5% |
| 5 | PH | $0.12B | 1.7% | +171.6% | -18.9% |
| 6 | IN | $0.08B | 1.1% | +23.2% | -38.6% |
| 7 | MY | $0.07B | 1.0% | +318.8% | +10.5% |
| 8 | JP | $0.06B | 0.9% | +74.7% | +56.9% |
| 9 | SG | $0.06B | 0.8% | +46.3% | +168.7% |
| 10 | BR | $0.04B | 0.6% | +101.9% | -28.6% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。