韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2025年12月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比47.8%増えました。 実際の出荷数量は+4.7%、ドル建て価格は+38.0%、為替効果は+2.3%で、変化の大部分は価格によるものでした。 品目群別では、半導体全体·集積回路は価格主導、個別素子·製造装置は数量主導でした。 関税庁の2025年12月速報では、DRAM輸出が42億ドル(前年比+98.3%)、HBM等の複合構造チップが62億ドル(+42.3%)で、メモリ輸出の32%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は195.8(2020年=100)で前年同期比+5.1%、同期間のドル建て価格指数は+29.8%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2025年12月 | 311.0 | +47.8% | +21.8% | 219.1 | +4.7% | +18.4% | 114.2 | +38.0% | +2.2% | 1,467.4 | +2.3% | +0.7% |
| 2025年11月 | 255.3 | +45.6% | +12.4% | 185.1 | +5.2% | +1.0% | 111.7 | +32.3% | +8.7% | 1,457.8 | +4.6% | +2.4% |
| 2025年10月 | 227.1 | +32.1% | -3.3% | 183.2 | +5.6% | -18.3% | 102.8 | +19.6% | +15.7% | 1,423.4 | +4.6% | +2.3% |
| 2025年9月 | 234.8 | +27.8% | +10.4% | 224.2 | +23.2% | +8.6% | 88.8 | -0.5% | +1.5% | 1,391.8 | +4.3% | +0.2% |
| 2025年8月 | 212.8 | +31.9% | +3.7% | 206.5 | +32.7% | +2.5% | 87.5 | -3.1% | +0.1% | 1,389.7 | +2.6% | +1.1% |
| 2025年7月 | 205.2 | +31.3% | -1.2% | 201.4 | +37.0% | -6.6% | 87.4 | -3.6% | +5.1% | 1,375.2 | -0.6% | +0.6% |
| 2025年6月 | 207.8 | +10.3% | +6.5% | 215.7 | +17.4% | +8.6% | 83.2 | -5.1% | +0.1% | 1,367.0 | -1.0% | -2.0% |
| 2025年5月 | 195.1 | +23.8% | +15.1% | 198.6 | +28.8% | +16.9% | 83.1 | -5.9% | +2.0% | 1,394.5 | +2.1% | -3.4% |
| 2025年4月 | 169.5 | +23.8% | -11.9% | 169.9 | +26.5% | -13.2% | 81.5 | -7.3% | +2.5% | 1,444.3 | +5.6% | -0.9% |
| 2025年3月 | 192.3 | +21.7% | +37.4% | 195.9 | +13.0% | +34.6% | 79.5 | -1.6% | +1.3% | 1,457.0 | +9.5% | +0.8% |
| 2025年2月 | 139.9 | +4.2% | -5.7% | 145.6 | -5.2% | -3.0% | 78.5 | +1.2% | -2.1% | 1,445.6 | +8.5% | -0.7% |
| 2025年1月 | 148.4 | +17.2% | -29.5% | 150.1 | +1.3% | -28.3% | 80.2 | +5.2% | -3.1% | 1,455.8 | +10.0% | +1.5% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2025年12月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 250.1 | +44.5% | +21.0% | 219.1 | +4.7% | +18.4% | 114.2 | +38.0% | +2.2% | 価格主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 259.0 | +45.2% | +22.0% | 228.3 | +3.0% | +19.3% | 113.4 | +41.0% | +2.3% | 価格主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 78.0 | +10.0% | -21.3% | 83.7 | +14.7% | -21.3% | 93.2 | -4.1% | -0.0% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 171.3 | +2.7% | +27.6% | 187.1 | +4.4% | +27.7% | 91.6 | -1.7% | -0.1% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 4.16 | +98.3% | +15.3% | 175.2 | +29.2% | +18.0% | 23,725 | +53.4% | -2.2% | 24.9% | +50.3% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 6.16 | +42.3% | +31.8% | 104.7 | +18.3% | +12.8% | 58,869 | +20.3% | +16.8% | 36.9% | |
| フラッシュメモリi | 1.28 | +108.1% | +15.8% | 45.0 | +6.6% | +10.2% | 28,353 | +95.1% | +5.1% | 7.6% | +68.5% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 0.99 | +162.1% | +31.9% | 18.2 | +92.4% | +45.1% | 54,007 | +36.2% | -9.1% | 5.9% | |
| プロセッサ・コントローラi | 2.83 | -2.9% | -1.9% | 643.1 | +15.4% | +8.2% | 4,400 | -15.8% | -9.3% | 16.9% | |
| その他の集積回路i | 1.29 | -1.9% | +41.3% | 323.7 | -1.4% | +14.7% | 3,984 | -0.5% | +23.1% | 7.7% | |
| 集積回路合計 | 16.70 | +43.4% | +19.9% | 1,309.9 | +12.8% | +11.8% | 12,748 | +27.2% | +7.2% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM +36.5%、HBM等 +27.7%、フラッシュ +2.5%、プロセッサ・コントローラ +12.5%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2025年12月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $4.06B | 32.1% | +94.6% | +14.6% |
| 2 | TW | $2.88B | 22.8% | +31.9% | +25.9% |
| 3 | HK | $2.62B | 20.7% | +33.3% | +44.4% |
| 4 | VN | $1.39B | 11.0% | +109.3% | +52.9% |
| 5 | MY | $0.46B | 3.6% | +288.9% | -8.9% |
| 6 | PH | $0.37B | 2.9% | +278.1% | -2.6% |
| 7 | SG | $0.31B | 2.5% | +375.9% | +85.7% |
| 8 | IN | $0.16B | 1.3% | +183.8% | +37.9% |
| 9 | US | $0.10B | 0.8% | +288.7% | +54.9% |
| 10 | BR | $0.06B | 0.5% | +50.4% | +7.7% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。