韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2025年2月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比4.2%増えました。 実際の出荷数量は-5.2%、ドル建て価格は+1.2%、為替効果は+8.5%で、変化の大部分は数量によるものでした。 すべての品目群で数量が変化をけん引しました。 関税庁の2025年2月速報では、DRAM輸出が17億ドル(前年比+12.7%)、HBM等の複合構造チップが23億ドル(-0.9%)で、メモリ輸出の33%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は168.3(2020年=100)で前年同期比+2.8%、同期間のドル建て価格指数は+7.9%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2025年2月 | 139.9 | +4.2% | -5.7% | 145.6 | -5.2% | -3.0% | 78.5 | +1.2% | -2.1% | 1,445.6 | +8.5% | -0.7% |
| 2025年1月 | 148.4 | +17.2% | -29.5% | 150.1 | +1.3% | -28.3% | 80.2 | +5.2% | -3.1% | 1,455.8 | +10.0% | +1.5% |
| 2024年12月 | 210.4 | +43.7% | +20.0% | 209.3 | +10.3% | +18.9% | 82.7 | +18.4% | -2.0% | 1,434.4 | +10.0% | +2.9% |
| 2024年11月 | 175.3 | +38.1% | +2.0% | 175.9 | +4.2% | +1.4% | 84.4 | +24.7% | -1.8% | 1,393.4 | +6.3% | +2.4% |
| 2024年10月 | 171.9 | +40.2% | -6.4% | 173.5 | +5.4% | -4.7% | 86.0 | +32.0% | -3.7% | 1,361.0 | +0.8% | +2.0% |
| 2024年9月 | 183.7 | +36.3% | +13.9% | 182.0 | -8.2% | +17.0% | 89.2 | +47.8% | -1.2% | 1,334.8 | +0.4% | -1.4% |
| 2024年8月 | 161.3 | +40.2% | +3.2% | 155.6 | -9.0% | +5.8% | 90.3 | +50.0% | -0.4% | 1,354.2 | +2.7% | -2.1% |
| 2024年7月 | 156.3 | +59.0% | -17.0% | 147.0 | -1.6% | -20.0% | 90.7 | +50.2% | +3.5% | 1,383.4 | +7.5% | +0.2% |
| 2024年6月 | 188.3 | +60.0% | +19.6% | 183.8 | +4.1% | +19.2% | 87.6 | +44.5% | -0.8% | 1,380.1 | +6.4% | +1.1% |
| 2024年5月 | 157.5 | +57.5% | +15.1% | 154.1 | +6.5% | +14.7% | 88.3 | +43.9% | +0.5% | 1,365.4 | +2.8% | -0.2% |
| 2024年4月 | 136.9 | +60.3% | -13.4% | 134.3 | +8.6% | -22.5% | 87.9 | +42.4% | +8.8% | 1,367.8 | +3.6% | +2.8% |
| 2024年3月 | 158.0 | +38.0% | +17.6% | 173.3 | +15.6% | +12.9% | 80.8 | +17.1% | +4.2% | 1,330.7 | +1.9% | -0.1% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2025年2月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 114.2 | -4.0% | -5.1% | 145.6 | -5.2% | -3.0% | 78.5 | +1.2% | -2.1% | 数量主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 116.7 | -3.6% | -5.1% | 153.4 | -5.4% | -2.9% | 76.1 | +1.9% | -2.2% | 数量主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 66.4 | -16.9% | -4.9% | 68.9 | -11.0% | -4.9% | 96.3 | -6.6% | +0.0% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 141.8 | +28.3% | +14.6% | 155.0 | +31.5% | +15.6% | 91.5 | -2.4% | -0.9% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 1.68 | +12.7% | -8.4% | 125.5 | +8.1% | +0.4% | 13,397 | +4.3% | -8.8% | 20.8% | +10.1% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 2.29 | -0.9% | +2.3% | 61.1 | -24.9% | +6.1% | 37,411 | +31.9% | -3.6% | 28.3% | |
| フラッシュメモリi | 0.29 | -66.9% | -4.3% | 46.8 | -16.6% | +65.6% | 6,287 | -60.4% | -42.2% | 3.6% | -30.3% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 0.43 | -7.9% | +19.7% | 10.0 | +5.9% | +15.2% | 43,365 | -13.1% | +3.9% | 5.4% | |
| プロセッサ・コントローラi | 2.62 | +3.0% | -3.1% | 538.7 | +8.1% | -1.7% | 4,860 | -4.7% | -1.4% | 32.4% | |
| その他の集積回路i | 0.77 | -13.4% | -3.4% | 281.3 | -11.0% | -2.3% | 2,744 | -2.7% | -1.1% | 9.5% | |
| 集積回路合計 | 8.09 | -5.9% | -1.9% | 1,063.4 | -1.3% | +0.7% | 7,604 | -4.6% | -2.6% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM -4.7%、HBM等 -23.1%、フラッシュ -37.7%、プロセッサ・コントローラ +5.9%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2025年2月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $1.58B | 33.4% | -27.9% | -6.6% |
| 2 | TW | $1.14B | 24.1% | +325.8% | +10.1% |
| 3 | VN | $0.81B | 17.1% | +61.4% | -7.6% |
| 4 | HK | $0.67B | 14.2% | -60.5% | +33.9% |
| 5 | MY | $0.17B | 3.6% | +30.2% | -44.5% |
| 6 | IN | $0.13B | 2.8% | +11.1% | +14.3% |
| 7 | BR | $0.05B | 1.0% | -29.4% | +6.2% |
| 8 | PH | $0.05B | 1.0% | -21.4% | -31.8% |
| 9 | JP | $0.03B | 0.6% | -4.5% | +5.9% |
| 10 | ID | $0.02B | 0.4% | +8.9% | +21.2% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。