韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2026年1月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比105.9%増えました。 実際の出荷数量は+18.5%、ドル建て価格は+73.6%、為替効果は+0.0%で、変化の大部分は価格によるものでした。 品目群別では、半導体全体·集積回路は価格主導、個別素子·製造装置は数量主導でした。 関税庁の2026年1月速報では、DRAM輸出が51億ドル(前年比+175.5%)、HBM等の複合構造チップが49億ドル(+118.4%)で、メモリ輸出の41%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は194.0(2020年=100)で前年同期比+8.7%、同期間のドル建て価格指数は+47.6%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2026年1月 | 305.5 | +105.9% | -1.8% | 177.9 | +18.5% | -18.8% | 139.2 | +73.6% | +21.9% | 1,456.5 | +0.0% | -0.7% |
| 2025年12月 | 311.0 | +47.8% | +21.8% | 219.1 | +4.7% | +18.4% | 114.2 | +38.0% | +2.2% | 1,467.4 | +2.3% | +0.7% |
| 2025年11月 | 255.3 | +45.6% | +12.4% | 185.1 | +5.2% | +1.0% | 111.7 | +32.3% | +8.7% | 1,457.8 | +4.6% | +2.4% |
| 2025年10月 | 227.1 | +32.1% | -3.3% | 183.2 | +5.6% | -18.3% | 102.8 | +19.6% | +15.7% | 1,423.4 | +4.6% | +2.3% |
| 2025年9月 | 234.8 | +27.8% | +10.4% | 224.2 | +23.2% | +8.6% | 88.8 | -0.5% | +1.5% | 1,391.8 | +4.3% | +0.2% |
| 2025年8月 | 212.8 | +31.9% | +3.7% | 206.5 | +32.7% | +2.5% | 87.5 | -3.1% | +0.1% | 1,389.7 | +2.6% | +1.1% |
| 2025年7月 | 205.2 | +31.3% | -1.2% | 201.4 | +37.0% | -6.6% | 87.4 | -3.6% | +5.1% | 1,375.2 | -0.6% | +0.6% |
| 2025年6月 | 207.8 | +10.3% | +6.5% | 215.7 | +17.4% | +8.6% | 83.2 | -5.1% | +0.1% | 1,367.0 | -1.0% | -2.0% |
| 2025年5月 | 195.1 | +23.8% | +15.1% | 198.6 | +28.8% | +16.9% | 83.1 | -5.9% | +2.0% | 1,394.5 | +2.1% | -3.4% |
| 2025年4月 | 169.5 | +23.8% | -11.9% | 169.9 | +26.5% | -13.2% | 81.5 | -7.3% | +2.5% | 1,444.3 | +5.6% | -0.9% |
| 2025年3月 | 192.3 | +21.7% | +37.4% | 195.9 | +13.0% | +34.6% | 79.5 | -1.6% | +1.3% | 1,457.0 | +9.5% | +0.8% |
| 2025年2月 | 139.9 | +4.2% | -5.7% | 145.6 | -5.2% | -3.0% | 78.5 | +1.2% | -2.1% | 1,445.6 | +8.5% | -0.7% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2026年1月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 247.6 | +105.8% | -1.0% | 177.9 | +18.5% | -18.8% | 139.2 | +73.6% | +21.9% | 価格主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 256.2 | +108.4% | -1.1% | 183.8 | +16.4% | -19.5% | 139.4 | +79.1% | +22.9% | 価格主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 80.9 | +15.9% | +3.8% | 86.7 | +19.7% | +3.6% | 93.3 | -3.1% | +0.1% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 138.0 | +11.5% | -19.4% | 151.4 | +12.9% | -19.1% | 91.2 | -1.3% | -0.4% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 5.06 | +175.5% | +21.7% | 142.4 | +13.9% | -18.7% | 35,525 | +141.8% | +49.7% | 30.9% | +102.6% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 4.88 | +118.4% | -20.7% | 87.6 | +52.1% | -16.3% | 55,749 | +43.6% | -5.3% | 29.8% | |
| フラッシュメモリi | 1.43 | +367.0% | +12.5% | 43.6 | +54.3% | -3.1% | 32,929 | +202.6% | +16.1% | 8.8% | +115.0% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 0.69 | +90.9% | -29.7% | 14.0 | +61.4% | -23.1% | 49,376 | +18.3% | -8.6% | 4.2% | |
| プロセッサ・コントローラi | 3.40 | +25.8% | +20.1% | 645.4 | +17.8% | +0.4% | 5,267 | +6.9% | +19.7% | 20.8% | |
| その他の集積回路i | 0.90 | +12.1% | -30.5% | 331.5 | +15.1% | +2.4% | 2,703 | -2.6% | -32.1% | 5.5% | |
| 集積回路合計 | 16.37 | +98.5% | -2.0% | 1,264.6 | +19.8% | -3.5% | 12,942 | +65.7% | +1.5% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM +26.8%、HBM等 +24.2%、フラッシュ +11.3%、プロセッサ・コントローラ +15.5%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2026年1月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $4.93B | 40.7% | +191.7% | +21.6% |
| 2 | TW | $2.47B | 20.4% | +138.4% | -14.2% |
| 3 | HK | $2.28B | 18.8% | +353.4% | -13.1% |
| 4 | VN | $1.20B | 9.9% | +37.4% | -13.5% |
| 5 | PH | $0.42B | 3.4% | +500.8% | +13.6% |
| 6 | TH | $0.24B | 2.0% | +2,220.5% | +692.7% |
| 7 | IN | $0.13B | 1.1% | +11.7% | -20.8% |
| 8 | US | $0.09B | 0.7% | +286.4% | -7.1% |
| 9 | JP | $0.08B | 0.7% | +204.7% | +35.9% |
| 10 | BR | $0.06B | 0.5% | +40.8% | +0.1% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。