韓国半導体輸出統計
半導体輸出が伸びたというニュース、本当に多く売れたのか、それとも値上がりしただけなのか。韓国銀行の貿易指数でウォン建て輸出の伸びを数量・ドル建て価格・為替に分け、関税庁の品目統計でDRAM・HBM・フラッシュを個別に見ます。
3つの効果は掛け算でつながります:(1+数量)×(1+ドル建て価格)×(1+為替)=(1+ウォン建て輸出額)。為替はウォン/ドルの月平均が上がる(ウォン安)とプラスです。
2026年2月の韓国の半導体輸出(ウォン建て)は前年同月比166.6%増えました。 実際の出荷数量は+41.9%、ドル建て価格は+87.5%、為替効果は+0.3%で、変化の大部分は価格によるものでした。 品目群別では、半導体全体·集積回路は価格主導、個別素子·製造装置は数量主導でした。 関税庁の2026年2月速報では、DRAM輸出が65億ドル(前年比+286.0%)、HBM等の複合構造チップが67億ドル(+195.1%)で、メモリ輸出の35%が中国向けでした。
① 月次数量の推移 — 品目群別数量指数(韓国銀行)
価格変動を除いた実際の輸出数量の推移です。ボタンでドル建て価格・ドル建て金額指数と比べられ、「3か月平均」を選ぶとカレンダー要因によるばらつきが減り、トレンドが見やすくなります。
直近3か月平均の半導体数量指数は201.2(2020年=100)で前年同期比+19.5%、同期間のドル建て価格指数は+65.9%でした。
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。 前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
② 半導体全体 — 数量・ドル建て価格・為替の分解(韓国銀行)
棒は前年同月比のウォン建て輸出の伸びに対する各効果の寄与、線は合計です。対数ベースなので3本の棒を足すと線と一致します。カーソルを合わせると実際の伸び率(%)が表示されます。
| 月 | ウォン建て輸出額 | 数量 | ドル建て価格 | ウォン/ドル(月平均) | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |
| 2026年2月 | 373.1 | +166.6% | +22.1% | 206.5 | +41.9% | +16.1% | 147.1 | +87.5% | +5.7% | 1,449.3 | +0.3% | -0.5% |
| 2026年1月 | 305.5 | +105.9% | -1.8% | 177.9 | +18.5% | -18.8% | 139.2 | +73.6% | +21.9% | 1,456.5 | +0.0% | -0.7% |
| 2025年12月 | 311.0 | +47.8% | +21.8% | 219.1 | +4.7% | +18.4% | 114.2 | +38.0% | +2.2% | 1,467.4 | +2.3% | +0.7% |
| 2025年11月 | 255.3 | +45.6% | +12.4% | 185.1 | +5.2% | +1.0% | 111.7 | +32.3% | +8.7% | 1,457.8 | +4.6% | +2.4% |
| 2025年10月 | 227.1 | +32.1% | -3.3% | 183.2 | +5.6% | -18.3% | 102.8 | +19.6% | +15.7% | 1,423.4 | +4.6% | +2.3% |
| 2025年9月 | 234.8 | +27.8% | +10.4% | 224.2 | +23.2% | +8.6% | 88.8 | -0.5% | +1.5% | 1,391.8 | +4.3% | +0.2% |
| 2025年8月 | 212.8 | +31.9% | +3.7% | 206.5 | +32.7% | +2.5% | 87.5 | -3.1% | +0.1% | 1,389.7 | +2.6% | +1.1% |
| 2025年7月 | 205.2 | +31.3% | -1.2% | 201.4 | +37.0% | -6.6% | 87.4 | -3.6% | +5.1% | 1,375.2 | -0.6% | +0.6% |
| 2025年6月 | 207.8 | +10.3% | +6.5% | 215.7 | +17.4% | +8.6% | 83.2 | -5.1% | +0.1% | 1,367.0 | -1.0% | -2.0% |
| 2025年5月 | 195.1 | +23.8% | +15.1% | 198.6 | +28.8% | +16.9% | 83.1 | -5.9% | +2.0% | 1,394.5 | +2.1% | -3.4% |
| 2025年4月 | 169.5 | +23.8% | -11.9% | 169.9 | +26.5% | -13.2% | 81.5 | -7.3% | +2.5% | 1,444.3 | +5.6% | -0.9% |
| 2025年3月 | 192.3 | +21.7% | +37.4% | 195.9 | +13.0% | +34.6% | 79.5 | -1.6% | +1.3% | 1,457.0 | +9.5% | +0.8% |
水準:ウォン建て輸出・数量・ドル建て価格は指数(2020年平均=100)、ウォン/ドルは月平均レートです。ウォン建て輸出指数=ドル建て金額指数×(ウォン/ドル÷2020年平均レート)、ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
③ 品目群別 — 何が輸出をけん引したか(韓国銀行)
同じ方法を品目群ごとにドル建てで適用しました(為替効果なし)。数量と価格のうち大きく動いた方を「けん引役」と表示します。 · 2026年2月
| 品目群 | ドル建て輸出 | 数量 | ドル建て価格 | けん引役 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | ||
| 半導体全体 | 303.8 | +165.9% | +22.7% | 206.5 | +41.9% | +16.1% | 147.1 | +87.5% | +5.7% | 価格主導 |
| 集積回路(メモリ・システム半導体) | 315.8 | +170.5% | +23.2% | 213.8 | +39.4% | +16.4% | 147.7 | +94.0% | +5.9% | 価格主導 |
| 個別素子(トランジスタ・ダイオード等) | 73.6 | +10.9% | -9.0% | 78.9 | +14.5% | -9.0% | 93.3 | -3.1% | -0.0% | 数量主導 |
| 半導体製造装置 | 157.7 | +11.2% | +14.2% | 173.0 | +11.6% | +14.3% | 91.1 | -0.4% | -0.1% | 数量主導 |
水準は指数(2020年平均=100)です。ドル建て価格指数=金額指数÷数量指数×100。
④ 品目速報 — DRAM・HBM・フラッシュ(韓国関税庁)
関税庁の10桁品目統計で、韓国銀行の発表より先に出ます。品目ごとに合う価格指数がないため、数量・価格の代わりに「重量」と「1kg当たり単価」に分けました。1kg当たり単価には値上げと高仕様化(同じ重さでより大容量)の両方が含まれます。
| 品目 | 輸出額 ($B) | 重量 (トン) | 1kg当たり単価 ($) | シェア | 韓銀価格指数 前年比 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | 水準 | 前年比 | 前月比 | |||
| DRAMi | 6.49 | +286.0% | +28.3% | 134.7 | +7.4% | -5.4% | 48,169 | +259.5% | +35.6% | 33.4% | +122.9% |
| HBM等(メモリ複合構造チップ)i | 6.75 | +195.1% | +38.2% | 92.9 | +51.9% | +6.0% | 72,666 | +94.2% | +30.3% | 34.8% | |
| フラッシュメモリi | 1.41 | +378.1% | -2.0% | 37.5 | -19.8% | -14.0% | 37,503 | +496.5% | +13.9% | 7.2% | +138.4% |
| メモリ複合部品(MCO)i | 1.13 | +160.5% | +63.3% | 12.9 | +29.2% | -7.8% | 87,457 | +101.7% | +77.1% | 5.8% | |
| プロセッサ・コントローラi | 2.90 | +10.7% | -14.7% | 574.5 | +6.6% | -11.0% | 5,047 | +3.8% | -4.2% | 14.9% | |
| その他の集積回路i | 0.74 | -3.9% | -17.2% | 287.9 | +2.3% | -13.2% | 2,578 | -6.1% | -4.6% | 3.8% | |
| 集積回路合計 | 19.42 | +140.1% | +18.7% | 1,140.4 | +7.2% | -9.8% | 17,028 | +123.9% | +31.6% | 100% | |
※ 関税庁はHBMを単独では集計していません。HBMのような積層メモリは「HS 8542.32-3000 複合構造チップ集積回路」として申告されているとみられるため、この項目をHBMの推計値として使います。
韓銀価格指数:同月のDRAM・フラッシュ輸出物価指数(ドル建て)の変化率。1kg当たり単価が価格指数より大きく上がるほど、高仕様化の影響が大きいことを示します。
前月比は稼働日数や四半期末の出荷集中といったカレンダー要因で±10%以上振れることがあります(季節調整前の原系列)。トレンドは前年比で見てください。
品目別の月次推移
品目ごとに別のグラフにして、小さな品目の動きも見えるようにしました(縦軸はそれぞれ異なります)。初期表示は「重量」で、品目別の数量の推移を見る基準です。棒は月次の値、線は3か月平均です。
直近3か月の出荷重量(前年同期比):DRAM +17.2%、HBM等 +37.6%、フラッシュ +7.6%、プロセッサ・コントローラ +13.3%。
メモリ輸出先 上位10か国・地域
HS 8542.32(メモリ全体)ベース。香港向けの多くは中国本土などへ再輸出されます。 · 2026年2月
※ 関税庁の国は最終的な買い手の国ではなく、チップが到着する国です。メモリはサーバーやスマートフォンを組み立てる工場へ送られるため、米ビッグテックの需要の多くは台湾(GPU・サーバー組立)、中国、メキシコなどへの輸出として計上されます。
| # | 国・地域 | 輸出額 | シェア | 前年比 | 前月比 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CN | $5.60B | 35.4% | +254.4% | +13.5% |
| 2 | HK | $3.02B | 19.1% | +349.9% | +32.9% |
| 3 | TW | $3.00B | 19.0% | +163.2% | +21.7% |
| 4 | VN | $1.58B | 10.0% | +96.1% | +31.9% |
| 5 | MY | $0.91B | 5.8% | +428.1% | +1,416.6% |
| 6 | SG | $0.48B | 3.0% | +4,143.5% | +1,533.0% |
| 7 | PH | $0.39B | 2.5% | +730.5% | -5.7% |
| 8 | IN | $0.21B | 1.3% | +57.8% | +61.4% |
| 9 | US | $0.12B | 0.7% | +885.3% | +34.2% |
| 10 | BR | $0.10B | 0.6% | +102.7% | +52.9% |
計算方法
韓国銀行の輸出金額指数はドル建て輸出額、輸出数量指数はそれを輸出物価で割った値です。そのため「金額指数÷数量指数」がドル建て価格になり、ウォン/ドル月平均の変化を掛けるとウォン建て輸出額の変化になります。
季節性を除くため、各月を前年同月と比べています。チャートは対数変化率なので3つの効果をそのまま足せます。表の%は実際の増減率です。
関税庁の数字はHS 8542.31・32・33・39(集積回路)の10桁品目を国別に合計した値です。韓国銀行の「集積回路」と品目範囲が少し異なるため、伸び率が数%pずれることがあります。
よくある質問
半導体輸出の伸びが数量によるものか価格によるものか、どう見分けますか?
韓国銀行が毎月公表する半導体輸出数量指数を見ればわかります。数量指数は価格変動を除いた値なので、金額指数との差が価格効果です。このページの②③の表がその計算です。
HBMの輸出統計は別にありますか?
HBMだけを集計した公式統計はありません。このページは関税庁の「HS 8542.32-3000 メモリ複合構造チップ」輸出をHBMの推計値として使っています。他の積層メモリ製品が含まれる可能性があります。
なぜDRAM・HBMは数量ではなく重量で見るのですか?
HBMには公式の価格指数がなく、DRAM価格指数も実際の輸出品構成を十分に反映しないため、数量を計算すると大きくずれました。そこで関税庁が実測した重量と1kg当たり単価に分け、推計なしで確認できる数字だけを示しています。
データはいつ更新されますか?
毎日午前9時40分(韓国時間)に新しい発表を確認して反映します。関税庁の品目統計は韓国銀行の貿易指数より先に出るため、④の表が②③より1か月先行していることがよくあります。
このページは公式統計を加工した情報提供用の資料であり、特定銘柄の売買を勧めるものではありません。